【釣りガールもやし】はじめてのシーバス バチ抜けチャレンジ
頭でっかちのもやしっ子・なおが、教科書と現実の違いにオロオロしながら、爆釣への道を突き進む釣りガールの成長物語。今回は初心者でも釣りやすいといわれるバチ抜けにチャレンジ!しかし現実は甘くなかった。
初心者でも簡単に釣れると噂の、大サービスシーズンの到来です。
秋の時点で張り切ってバチ抜けルアーを買い揃えていたのに、まさかのコロナ自粛。引きこもっている間にシーズンオフかと打ちひしがれていました。しかし、6月2週目、東京湾奥ではまだまだバチが抜けているとの朗報が!勇み足でセンメイ師匠が待つ隅田川へと向かったのでした。
関連記事:【初心者必見】~サルでもわかるシリーズ~シーバスの釣り方-バチ抜けパターン編-
釣行日時
- 日時:2020/6/9 21:30〜24:00
- 潮:中潮
- 天気:晴れ
- 場所:隅田川下流域
- 気分:久しぶりの釣りでテンション高め
念願の生バチくんとのご対面
現地に着くと、さっそく師匠が岸際をライトで照らしてくれる。
おお〜、いるいる。にょろにょろ〜って、気楽に川面を漂うかわいい姿。
こんなにはっきり肉眼で見られるんだ…!
初生バチにいきなりテンションMAX。
アイドルの握手会並みにときめく。バチさん、こっち見て。
…イソメみたいにエサ釣りで使えるのかな?
他にも、ちょんちょんっと後ろ向きに泳ぐ透明な生き物もいっぱい(※アミです)。
水面を照らすと、こんなにたくさんのベイト情報が得られるんですね。
「魚にプレッシャーを与えるからライトで水面を照らすのは絶対NG」って、どのサイトにも書いてあるからさ。怖くて照らしたことなかったよ。
(以前ヘッドライトを付けたまま歩いてしまい、釣り人に舌打ちされたこともトラウマになっている)
他の方のお邪魔にならないよう、足元をこっそり照らして状況を確認せよ。
ストラクチャーより潮目を狙え!
もたもた準備している私に見せつけるかのごとく、到着早々、さっそく師匠の竿がしなる。
涼しい顔して50センチ近いシーバスをキャッチ。
もう釣れたんですか、師匠。
こんな、なーんの障害物もないだだっ広いところで?
ツーショットを撮ろうとしたら、大したサイズじゃないからって断られた。
私が生で見た最大サイズだというのに。
聞けば本日すでに3本目だという。
見渡す限り何もない、ただの大河川。
こんなところでなぜ釣れるんだか、不思議でしょうがない。
ストラクチャーを狙い撃ちするのがシーバス釣りじゃないんですか?
師匠曰く、
バチ抜けでは、ストラクチャーに張りついているシーバスより、回遊してエサを探している個体のほうがやる気にあふれているという。
橋脚を他人に取られないように、同じ場所でずっと粘ってるほうがよっぽど釣れないんだって。
橋脚周りを陣取れなかったら、そこで試合終了だと思ってたワ。
とはいえ、回遊を待ってやみくもにキャストしているわけではなく、ちゃんと居そうなポイントを狙ってキャストしているとのこと。
それが、よく教科書に出てくる「潮目」。
みなさまご存知、水面にできている流れの筋です。
私だってもちろん存じておりますよ。
でも、そんなに重要視してなかった。
だって潮目に投げて釣れたことないんだもん。
潮と潮がぶつかる潮目には、バチをはじめ、たくさんのベイトが溜まるので、シーバスにとっては最高に効率のよいエサ場。お腹が空いたシーバスたちは、潮目に沿ってうろちょろしていることが圧倒的に多いんですって。
だから潮目にきっちりルアーを通すことができれば、やる気のあるシーバスに出会える確率がグンとアップするんだそうです。
よく考えたら、今まで潮目にルアーが届いていなかったかも。潮目を見つけたら、とりあえずそのあたり目がけて適当に投げとけばいいと勘違いしてた。
そりゃ、潮目あっても釣れませんわ。
ルアーが潮目まで届かないときは、潮目が射程距離に入る場所まで自分が歩いていくのが正解。これこそが真のランガンスタイルなのだ!
潮目に確実にルアーを届けよ。
届かぬなら、届く場所まで歩くべし。
定番ルアー、エリア10にヒット連発!
師匠が釣ったのは、みんな大好きバチ抜けルアーの超定番(らしい)「エリア10」。
色はなぜかホロピンク。
えーー。
バチカラーじゃないじゃん。
マット系かクリア系がきくって聞いたんですけども。色関係ないのか?
これについては師匠も意外だったもよう。
どうやら、カラーのミスマッチなんて関係ないほどに、今日のシーバスはやる気に満ちあふれているらしい。
私はもちろん、教わったとおりにパールチャートカラーを準備してきました。
ホロで釣れるなら、パールチャートなんて入れ食いのはず。シーバスホイホイでしょ!
……
1時間経っても沈黙を守り続けるシーバスホイホイ。
それでもシーバスホイホイを信じて投げ続ける私。
隣の師匠にはバイトが連発。
なんだこの差は。
期待を裏切って今日はホロデーなの?
もちろん即ルアーを交換してもらう♪
師匠、今度はパールチャートでヒット。
はぁ、イソメが恋しい。
デッドスローがデッドすぎた件
バチ抜けではルアーを動かさずに流れにのせて漂わせる。
アリが歩くスピードでリールを巻く。
教科書どおり、自分のできうる限りを尽くしてゆーーっくりゆーーっくりとリールを巻いてくる。
流れにノリまくり、はるか後方から調子よく帰還する我が子を見て師匠がひと言。
「流されすぎでしょ。ゴミじゃん」
ゴミ!?
いやいや、アリはこれぐらいのスピードで歩いてますから。
師匠のお手元を拝見すると、巻きスピードは私の4倍である。
はやっ。
アリが猛ダッシュしても追いつけん。
私が普段バイブレーションを巻いている速さじゃないの。
デッドじゃなくて全然アライヴだよ。
たしかに、バチ抜けではルアーは流れにのせるようにゆっくり巻くのが正解ではあるらしい。
ただし、隅田川の流れはかなり速い。そんな時にデッドスローでのーんびり巻いてたらルアーはどうなるか?
流れに一切逆らうことなく、ただふわふわと流されていくだけ。その姿はバチというより、
ゴミ。
悲しい。
そういえば、さっき見たバチも流れに乗ってはいたけど、引き波を立てながら明らかに「自分で泳いでいた」んだよね。
上流から流されてくるビニール袋とはまったく違う動き方をしていた。
バチには何かしらの強い意志すら感じたのだ。
ルアーだって、流れに乗りながら「自分で泳いでいる感」が必要なのだろう。
釣れない人はリーリングスピードが速すぎるって記事によく書いてあるけれど、これはケースバイケースみたい。私のように巻くのが遅すぎてルアーがゴミと化している人だっているのだ。
こういうことって実際に釣っている人を近くで観察しないと分からないなぁ。
師匠の手の動きが見える位置に移動し、動きをトレースするように巻いてみた。
体感としては3秒に1回転ぐらい。
これがなかなか絶妙なスピード。
真似ているはずなのに、遅巻きのクセがついているのかどんどんペースが遅れ、気づくと師匠とは周回遅れ。
涙のマラソン大会を思い出す。
かと言って速めを心がけると、これまたぶっちぎりの1位ゴールインをかましてしまう。
やばい、ただ巻きってめちゃくちゃ難しい…!
デッドスローは流れに合わせてアライヴせよ。
アリが猛ダッシュしても追いつかないスピードで巻け。
1年間「フッキング」をしたことがなかった事実発覚!
ここで師匠から反則ルアーを頂戴する。その名も「ノガレ」。
さすが公認ノガラーらしく(なにそれ?)、ボックスには大量のノガレチャンが仕舞われている。どれでも好きなものを使って良いとのことで、大好きなナイトオレンジをチョイス。ビギナーズラックでチヌを釣らせてくれた私のラッキーカラーだ。
ちょうどこの時、ライズが頻発。川中がジャボジャボとお祭り騒ぎ!
時合い到来の大チャンス!(らしい)
師匠が指差してくれるがままに、ライズ目がけてキャストする。
…あぁぁぁ、全然違うところにばっかり飛んじゃう。
なんならガイドにラインが絡んで飛びすらしない。
焦るもやし。
あらぬ方向へすっぽ抜けるノガレチャン。
キャストを繰り返すこと数回(数十回?)、
ぐぐぐぐっ…!
き、きたぁぁぁ!!?
これまでの人生で感じたことのない強烈な引き!!
よ、よよよよし、まずはラインテンションを緩めないように竿を立てて…
うわっ、すごい力に竿がのされる…?!
こんな引きはじめてだよ!!!!!
パニックながらに教科書が頭を駆け巡る。
ここは無理にやり取りしすぎないように、まずはお魚の好きに行かせてあげるのだ。無理なやり取りは口切れのもと。
本で読んだはずのうろ覚えなノウハウを頼りに、倒されるがままに竿を傾ける。
……ふわっ…
……え…、テンション抜けた…?
ん? え?? 嘘でしょ?
混乱するもやしをよそに、ひとりぼっちで帰ってくる澄まし顔のノガレチャン。
え? なんで??
ラインテンションちゃんとかけてたやん。
「オラっ、何やっとんじゃい!」
タモを持って全力疾走してきた師匠に喝を入れられる。
「ちゃんとフッキングしたの?」
???
グググッってしっかり引いてきてたからフッキングはしてると思うけど。
「自分で何もしてないなら、フッキングしてないわ。」
マジか。
しっかり引いたように感じても、実はまるでフッキングしてないって知ってました?
「フッキング動作」が必要なんですって。
それも想像よりも大袈裟に、「うぇいっ!」って思いっきり竿を引かなきゃならんのですよ!
思えば、カマス釣りした時も私は人一倍バラシが多かった。
でも、かけてすぐにフックが外れるんじゃなくて岸際までは寄せてこられたから、やり取り中の竿の角度が悪いんだと思っていた。
まさか「そもそもフッキングしていない」だなんて。
ぽかーんとアホ面している私を見かねて、師匠が優しく教えてくれました。
こちらが正しいフッキングでございます。
①お魚がかかる
②グググッと重みが竿にのる
③ラインの糸ふけをとり、一気にパシッと竿を立てる
このとき、手首だけで竿を立てるだけじゃなくて腕ごと竿を後ろに引く!
フッキングは思い切りの良さが大事です。
これやるとね、すっぽ抜けることもあるみたい。
でもすっぽ抜けを怖がってフッキングの練習をしないと永遠に上手くならないのですよ…。
すっぽ抜け問題は、すっぽ抜けてから考えるべき。
まずは「自分からお魚をかけていく」感覚を覚えにゃならん。
釣りをはじめてもうすぐ1年。
この1年間、私は1度もフッキングしたことがなかったようです。
したような気になっていただけで、たまたまお魚さんが勝手に針にかかってくれていたんです。
なんか…、
本当、今まで釣れてくれてありがとね?
君たちみんな、おいしかったよ。
このあと、すぐに2回目のアタリがありました。こちらも師匠がタモを持って走ってくる間にバラす。
「またかよ、成長して!!!!!」
………明日がんばります。
つづく。
パシっと鋭く竿を立てよ。
魚にフッキングをお願いしない。
あげたノガレのフックは全部新品やで 笑
メキシコに単独釣行いったときにメキシコ人にひたすらフッキング怒られた記憶を思い出したわ。今度しなかったらそこに送り込みます。
(玄人の皆さま:解釈が若干あやしいところは個別にフォロー済みです。温かい目でみてやってください。)