源流イワナ釣りと焚き火キャンプの魅力(栃木県・日光市)
澄んだ源流を遡り、警戒心の強いイワナを追う――。 渓流釣りの醍醐味は、ただ魚を釣ることにとどまりません。山あいでのテント設営、焚き火の炎に癒される夜、満天の星空、そして疲れを癒す温泉。すべてが一つの旅として心に刻まれます。 本紀行文では、栃木・日光の山奥で体験した「源流イワナ釣りとキャンプの時間」を綴りました。難しさの先にある一尾との出会いと、自然の懐に抱かれる旅の魅力をお届けします。

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稲田りゅう
- プロフィール
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初めまして、Japan Culture Map に参加させていただきます。稲田りゅうと申します。
Rapala Japan 公式Reporter 3年目を迎え、さらに釣りの楽しさ、自然の優しさをお伝えするため一歩一歩がんばっていこうと思っています。
(東京生まれ東京育ちで、小さい頃から近所の川や池で小魚やザリガニを採って遊んでいました。 中学生になり釣りを覚えて、鯉・タナゴ・ブラックバス・シーバス釣りに夢中になりました。)
国内を釣り歩き、ここ数年の旅先は海外に。 タイや台湾にも出かけ、日本では見られない怪魚を求めて釣り歩いています。
釣り場で見かけた際には、ぜひ声をかけてください。
よろしくお願いいたします。
源流に誘われて
イワナ釣りをしたことはありますか?
ニジマスやヤマメよりもさらに上流、冷たく澄んだ水を好む魚。人影や足音を敏感に察知して姿を消してしまう、警戒心の強い魚です。だからこそ、出会える一尾の喜びは格別。
今回は、そんな源流イワナを求めてキャンプをしながら釣行しました。
集合場所は東武日光駅。
世界遺産・日光東照宮にほど近く、観光客で賑わう街並みを抜け、私たちは中禅寺湖を越えて山奥へと車を走らせました。青空が広がり、まさに釣りとキャンプにうってつけの日です。
渓流に拠点を構える
河原を歩いて探し、程よいスペースを見つけてテントを設営。明るいうちに焚き火用の薪も集めます。
川のせせらぎをBGMにテントが完成すると、これだけで心が満たされるようです。
ルアーフィッシングを楽しむ
昼食を済ませ、いよいよ釣りの時間。仲間はそれぞれのスタイルで竿を出します。この日は羽虫が多く飛んでいて、フライフィッシングを選んだ友人は好調。流れの下に潜むイワナを毛ばりで見事に仕留めていました。
私はルアーを手に、堰堤下の深い淵を狙います。
一投目、ルアーを追いかける影に胸が高鳴ります。
二投目、しっかりヒット!
手元に伝わる震えは、何度味わっても心を揺さぶります。
テンカラ釣りを楽しむ
写真のような堰堤を越えてさらに上流へ。思いのほか高さがあるため、一歩ずつ慎重に進みます。
ルアーでの釣りから一転、日本古来の釣法「テンカラ釣り」を試していきます。テンカラはフライよりも魚との距離が近く、目の前で毛ばりに飛びつく瞬間は息を呑むほど。白い毛ばりにイワナが弾かれるように食いついたときの興奮は忘れられません。
釣り上げたイワナを観察ケースに入れてみると、その大きな目が印象的。獲物を見つける鋭さと同時に、可愛らしさも漂っています。地域ごとに模様が異なり、ナガレモンイワナやムハンイワナといった珍しい姿を探すのも魅力のひとつです。
焚き火と星空の夜
夕方、拠点に戻って薪に火を入れます。パチパチと薪が弾け、炎が揺れるだけで不思議と心が落ち着く。仲間と囲む夕食とお酒の時間は、何よりのご褒美です。
やがて辺りは真っ暗闇。街灯ひとつない夜空に、無数の星が輝きます。渓流での星空観察は、日常では味わえない贅沢な瞬間。火の後始末を済ませ、疲れた体をシュラフに沈めると、すぐに眠りへと誘われました。
朝の渓流を進む
翌朝は早起きして再び焚き火を楽しみながら朝食。
山岳渓流では太陽が差し込む時間の方が魚の活性が高まるので、のんびりと準備をしてから再び川へ。
この日は別の支流を遡ります。崩れやすい斜面を避け、慎重に進む。(写真のような斜面が崩れている箇所は、近づかず大きく迂回してください。)
目指すのは「イワナ止めの滝」。そこには多くのイワナが溜まっており、ルアー・テンカラ・餌釣りと順に試すと、それぞれ違った反応を見せてくれました。
深場ではメタルバイブレーションも有効で、力強く食いついてくるイワナに思わず笑みがこぼれます。正面から見るイワナの顔は、丸く愛嬌があり、可愛らしささえ感じられる瞬間です。
温泉で締めくくる
1泊2日の源流キャンプを終えた後は、やっぱり温泉へ。
焚き火の煙でいぶされた体を清め、渓流釣りの疲れを癒す湯は格別です。
おわりに
源流イワナ釣りは、決して簡単な遊びではありません。険しい道のり、警戒心の強い魚、体力を要する釣り…。
それでも、一尾に出会えた瞬間の喜び、焚き火を囲む時間、星空の美しさ。すべてが渓流ならではのご褒美です。
もし少しでも興味を持ったなら、ぜひ渓流の奥へ足を踏み入れてみてください。
そこには、まだ見ぬイワナとの出会いと、日常を忘れる時間が待っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。