アユルアー釣行記――ルアーで楽しむ夏の鮎釣り――
清流を泳ぐ鮎をルアーで狙う「アユルアー」。支流でのんびり、大河川でスリル満点。釣り方から食べ方まで魅力を徹底紹介!

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稲田りゅう
- プロフィール
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初めまして、Japan Culture Map に参加させていただきます。稲田りゅうと申します。
Rapala Japan 公式Reporter 3年目を迎え、さらに釣りの楽しさ、自然の優しさをお伝えするため一歩一歩がんばっていこうと思っています。
(東京生まれ東京育ちで、小さい頃から近所の川や池で小魚やザリガニを採って遊んでいました。 中学生になり釣りを覚えて、鯉・タナゴ・ブラックバス・シーバス釣りに夢中になりました。)
国内を釣り歩き、ここ数年の旅先は海外に。 タイや台湾にも出かけ、日本では見られない怪魚を求めて釣り歩いています。
釣り場で見かけた際には、ぜひ声をかけてください。
よろしくお願いいたします。
夏の清流を泳ぐ魚といえば、やはり「鮎」。
川釣りの代表格として知られ、昔から「友釣り」が有名です。生きた鮎をオトリにして縄張り意識を刺激し、追い払おうとした鮎を掛ける、独特の釣り方ですね。
しかし、近年はこの友釣りをルアーで楽しむスタイル――私は「アユルアー」の方がしっくりきますが、近年では「アユイング」と呼ばれる新しい釣りが注目を集めています。専用道具がなくても気軽に挑戦でき、しかも釣った鮎は食べても絶品。今回は、その魅力を実際の釣行を通してご紹介します。
※アユをルアーで狙うことが出来る場所は限られています。必ず漁協のホームページや電話などで事前に確認しておくようにしましょう。
支流でのんびりアユルアー
訪れたのは神奈川県南部の小規模河川。解禁直後の本流は人で溢れる激戦区ですが、私は静かに竿を出せる支流を選びました。
橋の上から覗くと、キラキラと光る小鮎の群れが遡上していく姿。夏の川らしい風景に胸が高鳴ります。
近年は各メーカーからアユ専用ルアーが発売されていますが、手持ちのミノーでも十分対応可能です。たとえばラパラのフローティング9cm、鮎カラーやシルバー系は特に相性抜群。水深1メートル以内なら気持ちよくアクションしてくれます。
ルアーセッティングの工夫
一般的なルアーはそのままでは鮎針を取り付けにくいため、スプリットリングに小型のハリス止めをセット。そこへ鮎ルアー用の掛け針を取り付けます。リアフックのみにセットし、ルアーから垂らす長さはおよそ2センチ。これで十分に鮎を掛けられます。
本流で大型アユに挑む
午後からは本流へ移動。支流に比べて魚体がひと回り大きく、最盛期には30cm級も期待できます。
ここでは流れが強く水深もあるため、シンキングタイプやディープダイバー系のルアーが活躍します。タックルは手持ちのバスロッド7フィートに2000番リール、PE0.8号+ナイロン1号リーダー。専用ロッドがなくても、流れに負けない強さと掛けてからバラしにくい柔軟さがあれば十分対応できます。
キャストはやや上流へ。ルアーを流れに乗せつつリールを巻くと、ゴンッ!と鋭い手応え。銀色の魚体が流れを切って走り出す瞬間、手に汗握るスリリングなやり取りが始まります。
秋色の鮎
シーズンが進むと、鮎の体色は黒っぽく変化し、「サビアユ」と呼ばれる成熟した姿になります。多摩川で釣れた晩秋の鮎は、夏の若鮎とはまた違う落ち着いた美しさがありました。
また鮎は黄色を認識できるといわれています。ルアーに追い星模様や黄色のシールを貼ると効果的な場合もあり、ちょっとした工夫で釣果が変わるのもこの釣りの面白さです。
釣った鮎を味わう
アユ釣りの楽しみは、もちろん食卓にもあります。持ち帰る際は氷をしっかり入れたクーラーボックスで鮮度を保ち、帰宅後はすぐに内臓を取り除くのがコツ。下処理をしたら冷凍保存も可能です。
小鮎は片栗粉をまぶしてカラッと揚げれば、骨ごと丸ごと楽しめる香ばしさ。大鮎は定番の塩焼きのほか、夏には南蛮漬けにするとさっぱりと食べられます。川での感動をそのまま味わえる最高のごちそうです。
まとめ
アユルアーは、従来の友釣りよりも手軽に始められ、近年は対応エリアもどんどん増えています。川でのスリリングなやり取り、美しい魚体、そして食べても美味しい魅力が揃った釣り。
自然の中で夢中になれるひとときを、ぜひ体験してみてください。安全第一で、楽しいアユルアーの世界へ――。