源流釣りの楽しさと、ヤマトイワナに会いに行く(長野県)
長野の山奥で源流釣り。ヤマトイワナとの出会いを求めた渓流釣行を、美しい写真と共に記録。源流釣りや渓流釣り初心者にも参考に。

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稲田りゅう
- プロフィール
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初めまして、Japan Culture Map に参加させていただきます。稲田りゅうと申します。
Rapala Japan 公式Reporter 3年目を迎え、さらに釣りの楽しさ、自然の優しさをお伝えするため一歩一歩がんばっていこうと思っています。
(東京生まれ東京育ちで、小さい頃から近所の川や池で小魚やザリガニを採って遊んでいました。 中学生になり釣りを覚えて、鯉・タナゴ・ブラックバス・シーバス釣りに夢中になりました。)
国内を釣り歩き、ここ数年の旅先は海外に。 タイや台湾にも出かけ、日本では見られない怪魚を求めて釣り歩いています。
釣り場で見かけた際には、ぜひ声をかけてください。
よろしくお願いいたします。
山の奥深く、澄みきった渓流にひっそりと棲む「ヤマトイワナ」。
その姿は、日本の自然が育んだ静謐な美しさをまとい、まさに“幻の渓魚”と呼ぶにふさわしい存在です。
今回、そんなヤマトイワナとの出会いを求めて、長野県の源流へと足を踏み入れました。
情報収集から始まり、地図と睨めっこしながら選んだ渓。現地の空気、流れる水の音、そして目の前に現れたその姿——。
この記事では、ヤマトイワナを追いかけた一泊二日の釣行記を、美しい渓流の風景とともに綴ります。
静かな自然に癒されたい方、源流釣りに興味のある方、そしてヤマトイワナに会ってみたいすべての方へ——少しでも旅の参考になれば幸いです。
ヤマトイワナとは
Salvelinus leucomaenis japonicus——学名に「japonicus」と、日本の名を冠したこの魚は、イワナの中でも日本固有の亜種。
サケ目サケ科イワナ属に属し、限られた地域にのみ生息しています。仲間には北海道のアメマス、本州のニッコウイワナ、中国地方のゴギなどがいます。
…とは言え、学術的な話は少し小難しいですね。
今回は、そのヤマトイワナに会うため、長野の山深くへと足を運んできました。

情報収集から始まる冒険
ヤマトイワナの生息域は、長野県や岐阜県の山奥など限られた場所。釣行前には、ブログやYouTubeをくまなくチェック。最近ではGoogleマップの投稿写真も有益な情報源となっていて、地形や水の透明度などを事前に確認できるのがありがたいところです。
今回のターゲットは、長野県のとある渓。静かに潜むヤマトイワナを求めて、源流域へ向かいます。

一日目
どれだけ下調べをしても、現地に立つと「思っていたのと違う」ということはしばしばあります。
ヤマトイワナが棲む場所は、車でのアクセスが難しい山深い渓谷。林道に入ってすぐ、車止めのゲートに出くわします。
こういった林道は、林業関係者専用の道であることが多く、一般車の通行は禁止。ゲート手前に迷惑にならないよう車を停め、そこからは徒歩でのアプローチとなります。

林道をしばらく歩くと、ようやく川のせせらぎが聞こえ始めました。深い谷を越え、小さな淵に辿り着きます。
ここなら釣れそうだ…そんな予感のする、澄んだ流れです。

そして、出会いの瞬間
仲間ふたりでルアーとブドウ虫の餌釣りで挑戦。小さな淵を丁寧に攻めると、早速イワナがヒットしました。
いつも目にしているニッコウイワナとは違う、透明感のある体色。そして白点の無いボディ。
これこそ、ヤマトイワナの特徴なのです。
白点がない分、オレンジ色の斑点がとてもよく映えます。自然光の中で泳ぐ姿は、本当に美しい。
石の色に溶け込むような、白っぽい体色の個体も見られました。周囲の環境に合わせて擬態しているかのよう。
小さな個体は観察ケースに入れ、その模様やヒレをじっくりと眺めます。

20cmに満たない個体でしたが、オレンジ色のヒレと控えめなパーマーク(楕円形の模様)が印象的。
特に尾びれの鮮やかなオレンジは、個人的にとても気に入りました。
二日目
テント泊で体を休めた翌朝。少し下流へ移動し、川幅の広がるエリアから釣りをスタートします。

この日のイワナは、背中にほんのり緑色がかった体色。前日釣れたイワナとは、また違った雰囲気です。
ヒレのオレンジもなく、わずかにポイントが違うだけでこんなに模様が変わるのは本当に興味深いですね。


参考までに、日光で釣ったニッコウイワナの写真も。背中から尾にかけての白点が特徴的で、パーマークもややぼやけて見えます。
こうして見比べると、ヤマトイワナとの違いがよく分かります。
アマゴとの比較
続いて、同じ淵で釣れたヤマトイワナとアマゴを並べて観察。


アマゴは体高があり、筋肉質な印象。引きも強く、釣りの面白さという点では魅力的な魚です。
一方のイワナは、石陰に隠れて暮らすため細身。性格の違いが形にも表れているのが面白いですね。
とはいえ、尾びれや目の印象はどちらも似ています。
最後に
初めてのチャレンジで、無事にヤマトイワナと出会うことができました。
事前の情報収集に加え、現地での状況判断や観察力がとても大切だと改めて実感。
日本の源流に棲む渓魚たち。
その姿に、そして美しい渓に、心が癒される時間でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
皆さんもぜひ、ヤマトイワナに会いに行ってみてください。